供養諸仏(4)

(くようしょぶつ)

舎利弗(シャリホツ)我 過世(カセ)を念(オモ)ふに、三億の仏に値(ア)ひたてまつれり。皆 弗沙(フシャ)と号す。

舎利弗よ、私は過去を思うに、三億の仏にお会いした。それらは皆、弗沙という名であった。

我時に皆 転輪聖王(テンリンジョウオウ)と作(ナ)りて、四事供養せしに、皆我を記せず、有所得(ウショトク)なるを以ての故なり。

私は、その時に皆、転輪聖王となって、それらの仏に四事(衣服、飲食、臥具、医薬など)の供養を捧げたが、仏は皆 私に成仏の予言をされなかった。私が利益を求めていたからである。

舎利弗、我 過世を念ふに、万八千の仏に値ひたてまつることを得たり。皆 山王と号し、劫(コウ)を上八(ジョウハチ)と名づく。

舎利弗よ、私は過去を思うに、一万八千の仏にお会いすることが出来た。それらは皆 山王という名で、劫(時)は上八劫といった。

我皆 此の万八千の仏の所(ミモト)に於て、剃髪法衣(テイハツ ホウエ)して、阿耨多羅三藐三菩提(アノクタラサンミャクサンボダイ)を修習(シュジュウ)せしに、皆我を記せず、有所得なるを以ての故なり。

私はすべて、この一万八千の仏の所で剃髪し、法衣を着けて、阿耨多羅三藐三菩提(仏の無上の悟り)を修めたが、仏は皆、私に成仏の予言をされなかった。私が利益を求めていたからである。

舎利弗、我 過世を念ふに、五百の仏に値ひたてまつることを得たり。皆 華上(ケジョウ)と号す。

舎利弗よ、私は過去を思うに、五百の仏にお会いすることが出来た。それらは皆、華上という名であった。

我時に皆 転輪聖王と作りて、悉く一切を以て、諸仏及び諸の弟子を供養せしに、皆我を記せず、有所得なるを以ての故なり。

私は、その時に皆、転輪聖王となって、あらゆるもので諸仏や多くの弟子を供養したが、仏は皆、私に成仏の予言をされなかった。私が利益を求めていたからである。

舎利弗、我 過世を念ふに、五百の仏に値ひたてまつることを得たり。皆 威徳(イトク)と号す。我 悉く供養せしも、皆我を記せず、有所得なるを以ての故なり。

舎利弗よ、私は過去を思うに、五百の仏にお会いすることが出来た。それらは皆、威徳という名であった。私は全ての仏を供養したが、仏は皆、私に成仏の予言をされなかった。私が利益を求めていたからである。

舎利弗、我 過世を念ふに、二千の仏に値ひたてまつることを得たり。皆 憍陳如(キョウジンニョ)と号す。

舎利弗よ、私は過去を 思うに、二千の仏にお会いすることが出来た。それらは皆、憍陳如という名であった。

我時に皆 転輪聖王と作りて、悉く一切を以て、諸仏を供養せしに、皆我を記せず、有所得なるを以ての故なり。

私は、その時に皆、転輪聖王となって、全てのもので諸仏を供養したが、仏は皆、私に成仏の予言をされなかった。私が利益を求めていたからである。

舎利弗、我 過世を念ふに、九千の仏に値ひたてまつれり。皆 迦葉(カショウ)と号す。

舎利弗よ、私は過去を思うに、九千の仏にお会いした。それらは皆、迦葉という名であった。

我 四事を以て、諸仏及び弟子衆を供養せしも、皆我を記せず、有所得なるを以ての故なり。

私は、四事(衣服、飲食、臥具、医薬など)で諸仏や弟子たちを供養したが、仏は皆、私に成仏の予言をされなかった。私が利益を求めていたからである。

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