出家功徳(23)

仏、比丘に告げたまはく、「当に知るべし、閻羅王(エンラオウ)、便ち是の説を作さく、「我れ当に何れの日にか此の苦難を脱し、人中に生じて、以て人身を得、便ち出家することを得て、鬚髪(シュホツ)を剃除し、三法衣を著して、出家学道すべし。」

釈尊は、出家の弟子たちに説いた、「閻羅王(閻魔)は、次のように語ったことを知りなさい。「私がいつの日か、この苦難を脱け出して、人間の中に生まれて人身を得たならば、すぐに出家して鬚 髪を剃り落とし、三枚の出家の衣を身に着けて、仏道を学ぶこととしよう。」と。

閻羅王すら尚ほ是の念を作す、何(イカ)に況んや汝等、今 人身を得て、沙門(シャモン)と作ることを得たり。

閻羅王ですら、このように考えるのである。ましてあなた方は、今 人身を得て出家となることが出来たのである。

是の故に諸の比丘、当に身口意の行を念行して、欠有らしむること無かるべし。当に五結を滅し、五根を修行すべし。是の如く諸の比丘、当に是の学を作すべし」。

この故にあなた方は、身と口と心の行いに気を付けて、善行に欠けることのないように努めなさい。五結(貪り、怒り、侮り、妬み、物惜しみ)の心を滅ぼして、五根(眼、耳、鼻、舌、身)を修めなさい。このようにして出家は仏道を学ぶのです。」と。

爾の時に諸の比丘、仏の所説を聞いて、歓喜奉行しき。

その時に出家の弟子たちは、仏の説く教えを聞いて大いに喜び、信じ行いたてまつりました。

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